【インターステラー】ノベライズ本から分かること

2021/09/01

映画 感想・考察

t f B! P L

 

前回、『インターステラー』の映画と小説の関係について書きました。

小説を読むと、どういうことが分かるのか、気になりますよね。

映画では描かれていない、登場人物の感情に迫れる箇所が幾つもありました。

今回は、その中でも特に大きなテーマについて書いていきます。

映画を観ていない方、まだ小説の内容を知りたくないという方は、観たり読んだりしてから、またお越しください!

小説の完全なネタバレは避けていますけど。😉

 

( 前回の記事は、こちらです。↓)


クーパーが自宅を出発する時、外に飛び出して来たマーフの気持ち


クーパーが宇宙に向かう直前に、自宅を去る場面のことです。

父親の車のエンジン音が聞こえ、マーフが2階の自分の部屋から駆け下りてくるシーン。

「何かある🤨」とは感じたものの、それが分からないままモヤモヤしていた私です。

父親を引き留めるつもりなら、「行かないで!」と、声の限りに叫び続けるはず。

祖父に、「お父さんを引き留めて!」と懇願するかもしれません。

「許さない!」と思っているなら、自分の部屋にいるはずですし。

(宇宙でクーパーが受け取った動画では、マーフが「置き去りにされたことをずっと怒っていた」から、それまで1度もメッセージを送らなかった、という内容がありましたが・・・)

マーフの表情と態度から、「悲しい」「どうしたらいいか分からない」だけではなく、何かをしなくては!という印象を受けたのです。

実は、意外な感情が小説では描かれていました!

それがリアルというか、「子供(それもマーフ)なら、こう思うはず!」と、納得する内容。

あの表情と態度は、こういうことだったのか・・・と。

その後、マーフは遠ざかるクーパーの車を見送りながら、「父が(宇宙から)戻ってくることを必死に祈った」という記述もありました。

これは、映画でも描かれていた気持ちですね。

でも、仲直りできないまま、ふたりが別れた直後からすでにそう思っていた、ということも分かりました。


(original image: darksouls)


アメリアとクーパーの時間を超えた接触


ワームホールを通り抜けるとき、アメリアが外に向かって手を差し伸べるシーン。

ラスト近くで、それが「実はクーパーだった」と、観ている側には分かるという・・・

宇宙ミッション中の前半と後半をつなぐ、不思議な接点となっています。

アメリアからはどの程度見えていて、どんな感触と感情があったのか、映画では曖昧だったので気になっていました。

アメリアは「たぶん、彼らよ」と言っているので、人型が見えたのかな?とか。

小説でも多くは語られていませんが、疑問は解消しました。

さらにこの遭遇は、小説の後半、クーパー目線でもっとドラマチックに描かれています!


登場人物が、読者(視聴者)と同じ疑問を感じ、考える


教授が、最初からプランBのために計画を進めていたことを、クーパーが知った後。

そもそもなぜ、教授の言葉を信じてしまったのか?という疑問を持ったクーパーの、答えと心情が、小説では書かれています。

また、なぜ「宇宙に行くべきという任務」に通じることだけを父は信じ、他の現象(STAYのメッセージなど)を無視できたのか?との、マーフの疑問にも焦点が当てられています。

それは、クーパーの出した答えと同じであり、その気持ちに気付くと同時に、ずっと教授のやり方を信じてきたマーフ自身の気持ちと重なることにも気付く・・・

この部分は、物語に奥行きを与えていると感じました。

さらに小説では、「彼ら」に対する疑問をアメリアが感じる場面もあります。

マンの星が居住不可能だと分かり、ラザロ・プロジェクトで送り出された11の可能性のうち、10が失敗となってしまった後という、深刻な事態でやっと。

 

矛盾点に登場人物が気付くことで、逆に「信じて行動したことが不可避」であったと気付かされました。

また、人が行うことに対して、完璧ではないリアルさがいいですね。


教授(父親)のウソを知った、アメリアの気持ち


このことについても、小説では詳しく書かれています。

映画では、次々と緊急事態が起こり、考えているひまもないような場面が続きますが。それでもちょっとしたスキに、考える余裕が小説ではあります。

 

オマケ: 分からなかったこと・・・Coop Cooper


些細なことなんですけど。😅

映画を観て、疑問に思われた方も多かったのではないでしょうか?

クーパーの息子トムが、自分の子供に「クープ」という名前を付けたことが気になっていました。

母方の祖父や周りの人たちから、主人公のクーパーが、「クープ」と呼ばれていたからなのは、分かっています。

でも、両親の名前が、トム・クーパー、ロイス・クーパーとなっているので(英語版wiki)、息子のフルネームが「クープ・クーパー」になってしまうんですけど・・・

 小学校で、「クープ、クーパー、クーペスト!」なんて、いじめられそうですよね。

主人公のクーパーのファーストネームは、ジョセフという設定らしいので、こちらから名付けてもいいのに?と思いました。

「クープ」ほどの愛着はないから、意味がないかもしれませんが・・・

家庭内での「あだ名」としても、ちょっと無理があります。

山本さんのお父さんが、「山ちゃん」と呼ばれているとして、「山本家」で山本さんたちが、息子を「山ちゃん」と呼ぶようなもの・・・

この、主人公の孫にあたる少年の名前に関して、小説にも詳しい説明はありませんでした。

(「人が行うこと」なので、「名付け」が不可解なこともあるのかな?)


ちなみに、ジョセフ・クーパーという名について


主人公の「ジョセフ」というファーストネームは、映画と小説には出てきません。

「クープ」または「クーパー」と、ずっと苗字で呼ばれているので。

ジョセフ(Joseph)は、旧約聖書に出てくる有名な人物の名前らしいです。

人々を大飢饉から救い、最長寿命(110歳)まで生きた人物。

預言となる、「太陽と月と11の星」が出てくる夢を見ました。(wikiより)

「11の星」は、「ラザロ計画」で11人が向かった先とつながりますね。

(私は、太陽はロドニー、月はドイルのことかな、と思っています。)

35歳の時、宇宙に出発し、約90年後に帰ってきた、実年齢124歳のクーパーとも重なります。

また、イエス・キリストの養父もジョセフ(ヨセフ)です。

となると、この名前には「救世主の父」という意味も含まれていそう・・・

ラザロ計画の「ラザロ」という名前自体が聖書に由来するので、「ジョセフ」が関係している可能性も高いですね。

また、物理学の「ジョセフソン効果」と「クーパー対(ペア)」も、無関係ではないかもしれませんが。



(2018年3月17日の記事です。)



(↓)小説の原書は、新品も販売されています。

 

 



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