【インターステラー】考察① アメリアが「Sorry, Cooper.」と言った理由(1)

2021/09/01

映画 感想・考察

t f B! P L

 

(image: ornithogalum)


映画を観て気になった方、いらっしゃいますよね?

[マンの星]を後にしたクーパーとアメリア(ブランド博士)が「この後どうするか」という相談をした直後でした。

「Sorry, Cooper.」というアメリアのセリフ。

「どういうこと???」と、引っ掛かりました。

今回は、この内容について書いていきます。

映画をご覧になっていない方は、ご鑑賞後に読んでくださいね!


なぜ、アメリアが謝るのか?


映画字幕では、「ごめんなさい」となっていました。

でも、謝るようなこと、ありました?🤨

地球に帰れそうにない状況に追い込またのは、マン博士の勝手な行動のせい。

そして、[マンの星]に行くと決めたのは、クーパーの方でした。

[エドマンズの星]に行きたいと考えていたアメリアは、むしろ反対していたのです。

それなのに、マン博士に裏切られ、死ぬ寸前だったクーパーを、全力で助けたのもアメリア。

アメリアが謝る理由なんて、全くなさそうなんですが・・・


「Sorry」・・・謝罪以外の意味


謝ろうとして言った言葉ではないのかもしれません。

ノベライズ本の翻訳では、「残念ね」となっていました。

「sorry」には、「心苦しく(申し訳なく)思う」、「後悔している」、「残念に思う」などの訳がありますから。

「(あなたが)地球に戻れないことになって残念に思う」という意味でしょうか?

「地球に戻る」という、子供たちとの約束を果たすことが叶わなくなった相手に対して、「残念ね」では冷たすぎます。

「残念」どころではないし、「ね」を付けると、クーパーの気持ちを代弁しているというか、「他人事」みたいなので。

ここは、ふたりがお互いに対する気遣いに溢れているシーンでした。

映画内で唯一、親密な雰囲気が感じられた場面とも言えます。

アメリアが謝っている訳ではないとしたら、

「(こんなことになってしまって)つらいわ」と訳せるでしょうか。


(original image: Mikhail Nilov)


謝っているとしたら?


「Sorry.」が間投詞として「自分のしたことを申し訳なく思う」→「ごめんなさい」の意味で言われた可能性もありそうです。

実はこの点が気になり、ノベライズ本を読む前に、映画を2回観ました。

そして理由には3つの可能性があるのではないかと考えています。


①父親(ブランド教授)のウソについて


もちろん、プランAへの協力を求め、クーパーを任務に就かせた責任者は、ブランド教授です。

でも、アメリアも計画・実行メンバーの1人。

教授と親子であるかどうかには関係なく、クーパーに協力を依頼した責任はあります。

ふたりが教授のウソを知り、どうしようもないと分かった後、アメリアは即座にクーパーへの気遣いを見せ、

「どうしたらいい?(私にできることがある?)」と聞きました。

これは、「この状況で、あなたに対してどうするのが最善策か?」という意味。

それに対して、

「俺を地球に帰らせてくれ」と答えたクーパー。

救うことができないと分かっても、子供たちと再会し、最後の時を一緒に過ごすことを選んだのです。

そして、その意向を尊重して作業していたのに、実際には「帰してあげられなくなった」という状況がはっきりとした時、

「(巻き込んでしまって)ごめんなさい」と謝る理由もあるのではないでしょうか。


(original image: WikiImages)


②マンの星に向かう前に言ってしまったこと


[マンの星]と[エドマンズの星]のどちらを選ぶか相談した後。

アメリアは、[マンの星]を選んだクーパーに対し、怒りと不信感を持ちました。

「クーパー自身は、全く私情を挟まずに、公平な判断ができるのか?」と。

もし、これから向かう「マンの星」が、人類に適さなかったら、地球に戻るか、エドマンズの星に向かうか、どちらかしか燃料がもたない状況だったので。

*地球に帰れば、プランAに適した場所を見つけられないまま、家族との再会を果たす。

*エドマンズの星に向かえば、プランBの可能性は残るが、家族とは再会できない。

アメリアの捨てゼリフは、「(そうなった場合は、)せいぜい公平な判断を下すことね😠」でした。

その後、[マンの星]が不適格だと分かったクーパーは「エドマンズの星に向かう」と言い切りました。

それしか選択肢が無いかのように、映画と小説のセリフでは描かれていましたが、小説をじっくり読むと、状況としては地球に帰る可能性もゼロではありませんでした。

それはアメリアにも分かっているはずで、クーパーの判断として「エドマンズの星に向かう」と聞いたことになります。

もし、地球に帰る可能性が全く無かったとしても、状況を冷静に受け止め、次にすべきことに気持ちを切り替えていること自体、普通の人ならできません。

もともと、クーパーはマン博士にとって不公平な決定をする訳にはいかなくて、すべて有利な条件が揃っていたはずの[マンの星]を選んだのです。

そんなクーパーに対して、

「(あなたを疑い、傷つけるようなことを言って)ごめんなさい」という気持ちがあっても、おかしくはありません。

 

 

長くなってしまったので、続きは改めます。

  

(2018年3月25日の記事です。)



My Favourites


SpicyChaiです。
よろしくお願いします!





好きな色:紫・緑
好きな本:『吹きぬけの青い空』
好きな映画:「リトル・ミス・サンシャイン(Little Miss Sunshine)」
好きな食べ物:果物
好きな料理:インドカレー
好きな飲み物:抹茶ミルク・チャイ
好きな動物:オコジョ・ヤマネ
好きな歌手:Meja(メイヤ)
好きな俳優:「みいつけた!」のサボさん

はてなブログ【つちのこけ】
シュライヒ&植物【My Tiny Balmy Balcony】
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

検索

Category

子育て (55) 感想・考察 (54) 生活 (40) 映画 (39) アニメ (35) 健康 (31) 体験 (29) 思い出 (26) 中学受験 (24) 学習法 (22) イベント (18) 予防 (16) 工夫 (16) (12) 手芸 (11) 発見 (11) 幼児期 (10) ドラマ (9) 試験 (9) 音楽 (7) ゴジラ (6) 料理 (6) ブログ (5) (5) (5) 生き物 (4) 植物 (2)

QooQ