【蛍火の杜へ】原作と映画を比較しました

2021/08/24

アニメ 映画 感想・考察

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映画を観て、原作コミックに興味を持ったので、『愛蔵版 蛍火の杜へ』を読みました。 🙂 


そして感じたのが、「ストーリーが、全く変えられていない」ということ。

ここまで、原作に忠実な映画を作ることができるのか!!と感激しました。 


(image: Darkmoon_Art)


(映画については、こちらに書きました。 ↓ )


今回は、原作に対する、映画の演出上の違いをまとめていきます。


ギンの姿


私がまず気になったのは、ギンの


原作のイラストでは、もっと狐っぽいです。

「何十年(何百年?)も森の奥で生き続けて、そうなったのでは?」というような妖艶さ。


(original photo: Eva Elijas)


映画では「きれいな(普通の)青年」という顔です。

その方が親近感があり、〔ほたる〕の恋心に共感しやすいと思います。

そのため、映画用キャラクター設定の際に変更されたのかもしれません。


そして、ギンの服装も違います。


原作では、日によって服が違い、少し人間っぽいかも...

映画では、夏の普段着は「蝶の柄のシャツ」で統一されています。

そのため、毎回服装の違う〔ほたる(人)〕とは違う雰囲気が出ているのです。


足元は、映画では下駄、原作ではサンダル。

(愛蔵版はカバーのみ下駄。)

角張った下駄は、昔風で男性的な印象が強く、個人的には重要なポイント。😉


(image: jplenio)


回想を語るほたる


原作でも、ギンとの出会いから別れまでを、「〔ほたる」による回想」という形で描いています。


ほたるが、思い出して語っている言葉から始まり...

所々、物語の進行・説明の役割を「イラストなしの言葉だけ」が担っています。


映画では、「回想している〔ほたる」」の映像を所々挟みつつ、物語が進んでいくのですが。

映画の冒頭は、高校を卒業後の夏、ほたるが自宅を出て祖父の家に向かうシーン。

その後、バスを待つ間や、電車で車窓を眺めながら回想している様子が、原作の言葉と共に映し出されるという演出です。


出かける際、あれこれ心配する母親に、「毎年行っていたんだから、大丈夫」と言うセリフがあります。

それだけで、高校生になった(高校1年の)夏にギンと別れ、(高校2年と)高校3年の夏には行かなかったらしいことが伝わります。


母親から、「履歴書」や(面接用のスーツに合わせる)「黒い靴」を持ったか念を押され...

手にはスーツが入っている(であろう)ガーメントバッグを持っているので、「山神の森」の近くで、新しい生活を始めようとしている前向きな様子。


「ギンを失ってから数年考えて、結局、思い出の場所を近くに感じられる所で暮らすことに決めた」という内容になっています。


この始まりの部分は、原作には描かれていないこと。

でも、原作にもある、最後の「さあ、いこう。いきましょう」という〔ほたる〕の言葉。

これはまさに、こういう意味だと思うので、映画では、「別れの後」が、具体的に表現されていると感じました。


映画で、回想をすべて語り終えた最後に、〔ほたる〕は祖父の家に着きます。

そして、この「さあ、いこう。いきましょう」の言葉と共に、その裏手の「山神の森」が映し出されているのです。


(original photo: DeltaWorks)


映画での広がり


短編コミックを映画化しているので、映像では膨らませてあります。 😀


原作では、思い出の場面場面を切り取ってつなげている、全く無駄のない描かれ方。

映画では、その場面ごとの前後を、原作との違和感なく広げて見せてくれます。


特に素晴らしいのが、「妖怪たちの夏祭り」!


(original photo: TokyoTim)


ギンとほたるが出かける箇所は、原作では3ページのみなんです。

それを、映画では、「一番の見所」とも言えるぐらいに詳しく描いています。


そして、そのお祭りは、妖怪たちが人のまねをして楽しむイベントなので、現在の日本人のお祭りとは、少し違うのです。😊


大きな木の樽に金魚を泳がせている金魚すくいや、色とりどりの風車屋さん、妖怪による獅子舞など・・・

別世界に迷いこんだような、まるで夢のような、不思議な雰囲気と魅力にあふれています。 


(original photo: DeltaWorks)


映画で使われていない内容


このように、原作を映画で詳しく描いている箇所がほとんどですが、原作にあり、映画で使われていない部分が、1つだけありました。


中学生になった〔ほたる〕が、自分の成長に比べ、ギンがほとんど変わっていないことに気付いた後、しんみりと感じる気持ち。


心のどこかで

ギンが本当は人間なのではないかと

あわい期待を持っていたけど


好きな相手が人間である場合と、そうではない場合の違いについて、受け止めた場面だと思います。


実は私は、映画でも原作でも、最初から「ギンは人間ではない」と、完全に信じ込んでいたのです。

それなので、原作でこの部分を読んだとき、少しドキリとしました。


ファンタジーとして受け入れていた物語が、急にリアルに感じられたというか...


実際に子供が、〔ほたる〕のような体験をしたら、確かに、相手が「本当は人間なのでは?」と思う(思いたい?)こともあるはずなので。


一方、映画では、うちわを顔にのせて、しばらく泣いていたらしい〔ほたる〕の様子が、繊細に描かれています。

そして、この時、気付いたのだと分かるのです。


「ギンが本当に人間ではない」ことを確信し...

「ギンとは、普通の人間と同じような恋愛はできない」ことを思い知った、と。


(original photo: Ryutaro Tsukata)


原作と映画の関係 ~感想~


映画での違いは、原作の魅力を損なうことは全く無いように感じました。


むしろ原作の世界観を膨らませて、たくさん見せてくれた、という印象を受けました。🥰


特に、まるで極楽浄土のような「山神の森」の奥の世界!

その場所が、カラーで再現されていて、さらに魅力的になっていました。


(original photo: Hugo_ob)



(2017年3月の記事を更新しました。🙂)


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