【ホワイト・オランダー】 ②気になった点! 植物の毒を使った方法など

2021/08/12

映画 感想・考察

t f B! P L

 

前回書いた通り、かなり内容の濃いストーリーでしたが...

この映画は全体的に、説明の足りないところが多いのも事実です。


これは、大作小説が原作である場合、仕方ないことなのかもしれません。

限られた上映時間内に、ストーリーを納めないといけないので。

「この雰囲気を実写で見たい!」という読者のために作られたと考えれば、納得です。 🙂


(original photo: Maria Orlova)


原作を読んでいない私は、いろいろと不可解に感じつつ、想像で補って観ていました。


バリー殺害方法


最後まではっきりしなかったのは、この部分です!

母親が自身のボーイフレンドであったバリー(ビリー・コノリー)を、一体どうやって殺害したのか、分かりませんでした。


意味深な回想

アストリッドが、あちこち転々とする生活を送る中で、「時々思い出さずにはいられない場面」というのがあるんです。

それが、「殺害の謎と関連するのでは?」と思われるのですが...

映画では、結局何を意味していたのかが、曖昧になっています。


(original photo: pixabay)


《回想されるシーン》

・母とバリーの「恋人としての付き合い」の始まりを象徴する、カフェでのふたりの親しげな朝食風景。

(アストリッドにとっては、「悲劇の始まり」ってこと?😥)


・バリーが怒りながら家に押しかけてきて、窓ガラスを割り、それに対して母が(ナイフか何かで)窓越しに彼の手を切り付けるシーン。

(母がバリーに捨てられた恨みから、仕事関係のデータを消去したのがばれたため争いが始まった... 😯 。母の手段を問わない仕返しの方法に、本性を見た?)


・バリー殺害容疑で警官に連れていかれる母が、「すぐに戻る」とアストリッドに言い残して出て行く、玄関のシーン。

(母と暮らせなくなり、生活がガラリと変わった瞬間だから?😔)


・母がテーブルで、花の咲いたホワイト・オランダーの枝を、牛乳の注がれたグラスに活けるのを、アストリッドが横で見ているシーン。

(花好きな母との幸せな思い出?それとも、殺害と関係あるのか? 🤨)


・「ホワイト・オランダーには強い毒があるのに、なぜ育てるのか」と話す男性の声が聞こえるシーン

(毒があることを、アストリッドも知っていたことを暗示 ?🙁)


・母親がホワイト・オランダーを大量に刈り取っているシーン。

(毒殺に使うため?😨 )


この、「ホワイト・オランダー」という植物が、映画のタイトルになっています。

白い花をつけ、きりっとした樹形は、「白い服を着た美しい母」を象徴しているかのようです。

(強い毒を秘めているところも...!)


この植物が、殺害に使用された、はずだけど・・・


ホワイト・オランダーは、日本では「夾竹桃(キョウチクトウ)」と呼ばれています。

すべての部分(花、葉、枝、根、果実)と、植えている周辺の土壌にまでにも、毒があるそうです。


(original photo: gemeindeblatt86502)


口から摂取することで、これまでにも、人や家畜の死亡例がありました。

牛の場合、体重1キロあたり50ミリグラムの乾燥葉が致死量とのこと。

(wiki「キョウチクトウ」より。)

なので、体重60kgの人でも、乾燥葉3グラムで危ないと考えられます。

かなり強い毒です。  😣


そこで、謎の「この花を牛乳に活けるシーン」は、毒を抽出するためだったのかな・・・とも考えられます。


また、これとは別に、母娘のドライブ中に、「アメリカでは非合法であるDMSOという薬を、メキシコで母が買う」ということを話すシーンがありました。

(でも、その理由の説明は無いまま。😐)

このDMSO自体は毒ではなく、「有機物をよく溶かす、水とよく混和する溶媒」です。


ホワイト・オランダーの毒を、牛乳に溶かすために使った溶媒かも?と考えられます。

でも、どうやったら、そんなあやしい液体を飲ませたりできるでしょうか...


母が、(自分には全く損のない)完全犯罪で、自分を捨てたボーイフレンドを罰するつもりだったはず!と想像するものの...

詳細は謎のままなのでした。


(original photo: iiii iiii)


意外な事実!


なんと、原作のwikiに、次のような内容がありました!👀

(↓)

”breaking into Barry's house and spreading a mixture of DMSO, an arthritis drug, and oleander sap all over the surfaces of Barry's home (the DMSO allows the oleander poison to be absorbed into skin). As a result, Barry dies, ”

訳:(母が)バリーの家に押し入り、関節炎薬DMSOとオランダーの樹液の混合物を、バリーの家中の壁や床などの表面に塗り、その結果、バリーは死亡。というのも、DMSOはオランダーの毒を皮膚に吸収させる働きがあるため。


ちょっと、非現実的な気がしますが・・・ 😳


原作を読まない限り、その他もろもろ、説明不足な点は、はっきりさせられないかもしれません!


その原作とは・・・


映画の原作『扉』(原題:White Oleander《ジャネット・フィッチ Janet Fitch》)は、アメリカで1999年に出版され、ミリオンセラーになった長編小説です。


アストリッドの12歳から20歳までのストーリーが書かれて描かれているそうです。


邦題が大胆に『扉』となっています。

「扉」というのは、「この物語を象徴する存在」なのかもしれません。🙂

映画でも、様々な扉(里親の家の扉や、施設の扉、母の面会に訪れる刑務所の扉)が印象的に映し出されていたので。


(original photo: pixabay)


最後に、字幕について


字幕に関しても、わかりにくい表現が気になりました。


①ポールがアストリッドに、「ゲイなの?」と聞き、アストリッドがそうだと認めるシーン。


施設で、男性と関わらないようにしているアストリッドに対して、同性愛者なのか確かめたくて聞いたポール。

異性として見てもらいたくなくて、アストリッドは肯定していました。


でも、日本では女性の同性愛者については、「ゲイ」という言葉をほとんど使わないので、不自然でした。😮 


「ゲイなの?」よりも「女の子が好きなの?」が良いのではないかと思います。


その後、アストリッドが、「ゲイじゃないの」と告白する場面でも、「同性愛者じゃないの」の方が良いかと...


(original photo: Pexels)


②3人目の里親が、古着を売る屋台で、「屋台とガス代は、私もちだよ」と言うシーン。


アストリッドの持っていた服が売れた場合の、自分の取り分について、主張しているところです。

屋台の維持費が里親もち、というのはわかるけれど・・・。

「ガス」というと、ガスストーブでもあるのかと思ってしまいます。

でもこれは、屋台までの移動に使う車のガソリン代のことなんです。

「屋台とガソリン代は、私もちだよ」の方が、わかりやすいと思います。🙂


最後に


「実在の人物の話なのではないか!?」と思ってしまうぐらい、登場人物の感情が、リアルに描かれているストーリー。

女優陣の演技も、美しい映像も、素晴らしい映画でした。

それなので、なおさら、説明不足で曖昧な点が多いことは、もったいないように感じました。



(※2017年3月の記事を更新しました。😌)


(↑)原作・日本語版は、中古のみ。

(↓)原書です。





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