劇場版『キノの旅』病気の国 -For You-考察 ③イナーシャの秘密

2021/08/04

アニメ 映画 感想・考察

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イナーシャには、両親に内緒にしていることがありました。

しかもそれは、彼女にとって一番大切なこと。

私は、この点についても、「何か重要な意味があるのでは?」と、気になったのです。

(映画・原作共に、理由は示されていなかったので。)


今回は、「秘密」について書いていきます。

(2019年8月の記事を更新しました。😊)

                 

カントリーへの憧れ


秘密にしていたことの1つは、「カントリーに行きたい!」という夢ですね。


(original photo: James Wheeler)


原作では、カントリーへの憧れを、「むしろ両親の方が、キノに熱く語っていた」との記述がありました。

同席していたイナーシャは、その話題に無関心を装ってさえいたのです。

 

わざわざ、そのような「振り」をしていたことが描写されている理由を、考えていきます。

 

イナーシャの計画


開拓団としての移住は、家族単位です。

そしてイナーシャには、「両親がホテルの仕事をやめてまで、カントリーに行くことを希望してはいない」ことも分かっている...

彼女は、開拓団としてではなく、「ひとりでカントリーに行く必要がある」と考えていたはずです。


原作では、病気が治った時の話として、キノに、

「カントリーへ行く許可を得るために、一生懸命勉強と訓練に励むことでしょう」

と語っているのです。

開拓団としてではなく、彼らの警護を務める「軍の特殊部隊員として」、カントリーに行き、ローグと再会するつもり、と言っているようにも聞こえます。


それは将来、「ローグのそばで暮らす」ためです。

というのも、原作では、コール中尉が、イナーシャとローグの手紙を読み、

「(彼女の夢は)完治して少年と一緒にカントリーで住むことだった」

と話す箇所があるのです。

キノに対してイナーシャは、カントリーに行く目的を、「ローグにお礼を言うため」と話していましたが...

(内に秘めている感じも、なかなか良いですよね。🥰)


(image: ractapopulous)


実際は、「1回、会いに行けば良いだけの話」ではなかったみたいなんです!

そして、残念なことに、移住の手段は限られていて...

独身のままで行くとしたら、「特殊部隊員として」しかなさそうなのです。😥

ローグに恋するイナーシャが、「一緒に住むにはどうしたらよいのか」と考えて、行き着く答えも同じだと思います。


しかし、娘が軍隊に入ると言い出したら...

優しい両親には、確実に心配をかけることになります。

(豪華ホテルの仕事を捨てて、「一緒に開拓団になる」と言い出す可能性も?)

それなので、計画の実現が近づくまで、内緒にしておく必要があった、ということではないでしょうか。

  

無関心を装っていたワケ


イナーシャは、両親の前で、「興味がない様子」までしていました。

実際のところ、徹底して秘密を守るためには、これが有効な方法だと思います。


カントリーについて、イナーシャは両親よりも詳しいのです。

カントリーに関する情報には、人一倍敏感でしょうし...

さらには、実際にそこで暮らしている開拓団の1人と文通しているのですから。


それなので、カントリーについての話題にイナーシャが加わった場合、その知識がぽろりと表に出てしまう可能性があります。

そうしたら、「どうしてそんなことまで知っているの?」と不審がられ、自分の計画を話す必要に迫られるかも...

そして、秘密にしている文通のことも、知られてしまう可能性が...

できるだけ、この話題に触れない方が無難なので、関わらないようにまでしていた、ということだと考えられます。

 

ローグとの文通


では、そのもう1つの秘密である、ローグとの文通に関しては、どうでしょうか。

「励ましあっている友達」がいることを両親が知ったら、とても心強く感じて、むしろ喜んでくれるような気がしますが...

10代前半の少女なので、「好きな男の子について、両親に話さない」というだけのことなのでしょうか?


たぶん、それだけでは無いと思うんです。

上記の「移住計画」を秘密にしておくためには、ローグのことも隠す必要がありそう...

文通が知られたら、手紙の内容を気にされ、何かの折に見られてしまうという危険がありますから!

 

(original photo: Johnmark Smith)


でも、入院している娘が、「手紙のやりとり」を親に隠しておくこと自体、可能なのでしょうか...

この点は、ちょっと疑問に思いました。😯

(細かいことなのですが、非現実的だと、物語が嘘っぽくなってしまうので…)

 

二重封筒の謎


原作では、封筒は2重になっていて、外側の封筒には、「病院名と病室番号しか書かれていない」となっています。

何らかの手続きで、封筒を見ただけでは、送り主が分からないようには、なっているんです。


それでも、定期的にどこかから、自分の子供の病室に手紙が届いたら、親は「誰からなのか?」と気にするはず!

手紙が来ること自体を、病院関係者が、保護者に話さないはずがありませんし。🤨


そもそも手紙は、どういう手続きで、外側の封筒に入れられたのでしょうか?


検閲(カントリーからの手紙には必要)の際に、入れられたのかな?と最初は考えていました。

それが、外側の封筒に「消毒・検査済み」の印をつけるため、ということなら分かります。

でも実際、印がつけられていたのは、「内側の封筒」となっているのです。

外側の封筒は、検閲では必要がないような...


文通手段を推測


そこで、次のような手段が考えられます。(あくまでも、想像です。😉)

イナーシャには、シティに協力者がいる。

ローグは、カントリーからその人宛てに手紙を出す。

協力者は、それを白い封筒に包んで、病院に届けてくれている。


原作では、イナーシャは、「2年前に発病したこと」が書かれているので、その前からの友達がシティにいても、おかしくはありません。

自分からの手紙として、病院名と病室番号を書き込んで、病院に持ち込んでくれるとしたら、可能なのかもしれないなと、考えました。


ちなみに映画では、封筒は2重にはなっていません。

白い封筒から直接、手紙を出していたのです。

この場合は、協力者が、白い封筒に手紙を入れ替え、自分の名前を差出人として記し、病院に届ける、という方法が考えられます。

(original image: ArtsyBee)


そういう訳で、うまく手はずを整えれば、「相手を親に知られずに、入院している子供が文通を続けるということ」も不可能でもないかな、と思います。


秘密の行き着く先は・・・


イナーシャが秘密を守るためには、相当工夫をする必要があったということが、読み取れるのではないでしょうか!

しかも、通常だったら不可能なことを、やりかねないと思わせる女の子なのです。

そのような行動が、夢をかなえようとする彼女のひたむきさを、更に際立たせているのではないかな、と感じさせます。

(「親まかせ」や「運まかせ」にする気が全くないという...😏)

 

 (original photo: Bich Tran)


でも、秘密があるのは、イナーシャだけではありません。

そんな彼女を見守るコール中尉も、秘密を背負っていました。

そして、彼らが住む国は、「特別開拓団」という秘密を抱えているのです。


夢をかなえるための秘密。

相手を傷つけないための秘密。

病気の人を救うための秘密。

 

そして、それぞれの秘密を守るための嘘。

 

「病気の国」は、そんな、誰かのための秘密と嘘が多いお話なのです。

嘘をつきとおし、秘密を守り続けるのは、難しいこと...

それは、この物語の続きが、気になってしかたない要因なのかもしれません。

 

(original image: AJSTAR212)

 


「イナーシャとコール中尉の関係」は、こちらに書きました。(↓)


「イナーシャの魅力」については、こちらにも書いています。(↓)


(赤いトマト柄パジャマ姿のイナーシャ。🙂)




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