映画「くるみ割り人形」(1979)

2021/06/05

アニメ 映画 感想・考察

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 ずっと昔に観た記憶のある、サンリオ制作の「くるみ割り人形」。

日本で最初の、長編ストップモーション映画です。

今回、U-NEXT の利用期間中に、観ることができました。

(「プライム対象」ではなく、「dアニメストア」でも扱っていない作品です。)


(original image: Buntysmum)


子供の頃に観たことは、確かです。

でも、覚えていることといったら...


「わたしの、くるみ割りさん」というセリフ。

「お菓子の国」のキャンディーたちのダンスがかわいかった(おいしそうだった)。


という程度。😓


実際に観てみると...

全体的に、画面が暗い。

最初の方なんて、トラウマになる可能性大ですし。

やっぱり、「これは子供向けの映画ではなかったのだな」と確信しました。

大人にしか分からないような、当時の流行を詰め込んだ場面もあったり。


でも、がっかりした訳ではないんです。

今、改めて観ると、また違った味わいがあることに気付きました。


映像


映像の作り方は、同時かなり斬新だったのではないか、と思います。


例えば...

主人公クララが、思い出していることを、薄い映像で同じ空間に重ねたり。

それが、現れて消える様子が、頭上に半円を描く動きで表現されていたり。


同じように、他の1つ1つの場面にも、相当工夫が凝らされていると感じました。


人形アニメと実写の映像が混ざっていることも、今になってみると、それ程違和感なく受け止められました。

(覚悟してから観たからかもしれないけれど。)

小さい時に観たときは、つながりがまったくつかめず、良く分からなかった点なのですが。

今ほど、映像作品が多くなかった時代。

人形の映像も、バレエも、1本の映画でいろいろ楽しめる作品にしたかったかもしれない、と思えてきました。

バレエのシーンは、本当に美しいですし。


無心に楽しめるのは、細部までこだわりのあるセット!

まるでドールハウスの世界を見ているかのようでした。

部屋、階段、家具、小物が、丁寧にそろえられているのが分かります。

全然安っぽいところが無いのです。

ミニチュア世界の堪能もできる作品だと感じました。

ドールハウスの中で、かわいいお人形が生活している姿が、見られるのですから。


あとは、やっぱり、子供の時に目を奪われた、お菓子の国!

「こんなにキラキラ✨だったんだー」と、改めて感嘆しました。

カラフルでかわいらしいお菓子たち。

その、なめらかでキレのある動き!

中でも、キャンディーたちのダンスが、今でも1番好きだと思いました。


映画に込められたメッセージ


特に印象に残ったのが、この映画のテーマである「愛」について。

小さい時には、全く印象に残っていなかったのが、びっくりなぐらいです。

(お菓子に、目がくらみすぎていたのかも。😋)


(image: Buntysmum)


今回、時計職人のおじさんのセリフに、ハッとさせられました。


” 好きと言っても、いろいろあるし。

愛と言っても、いろいろあるし。

人間はね、いろいろなものをすぐ好きになったり、愛したり、

嫌いになったり、憎んだりするのさ。

本当にそのものを、その人自身を、愛してなんかいないからさ。”


そしてこれが、1番重要な場面なのかもしれない、と感じました。

子供はもちろん、大人でも、分かっているようで、分かっていないようなこと。

それを、詩のような表現で、分かりやすく語りかけています。


映画を観たのは、この詩と出会うためだったのか、とまで思えてきました。


関連映画と原作


最近、この映画のことが、妙に気になっていた訳というのがありまして。

Disney⁺(ディズニープラス)で「くるみ割り人形と魔法の王国」を観たのです。

そのストーリーが、かつて観たこの映画と同じなのかどうか、知りたくなったのでした。


そして、実際に観てみたら、全く違う。

そうなると、原作とされている本は、どうなっているのだろうと思い、読んでみました。

E. T. A. ホフマン作「くるみ割り人形」です。


ところが、この本を読みつつ、ますます混乱してきました。

ストーリーが、どちらの映画とも違うので...


そして、全部読み終えた時、つながりが分かったかもしれません。

この物語のエッセンスを抽出して、人形アニメ映画に注入していると。

本には、ハラハラ・わくわくするような展開が、次々と盛り込まれていました。

でも、その中で重要なのは、やはり「愛」だと思うのです。

小さい女の子の「愛」の話で、映画とは重みが違うかもしれませんが...

(映画は、どちらかというと、大人向けですから。)

それでも、子供なりに「犠牲を払って、相手を守ろうとする」という内容が、心に響くのでした。

体を呈したり、大事な物を差し出したりして。


(original image: gingertea)


ちなみに、ディズニー映画の「くるみ割り人形と魔法の王国」は、本とは全く違うストーリーでした。

でも、無関係というわけでもないようです。

雰囲気を取り入れつつ、映画オリジナルのストーリーになっていますから。


【本ページの情報は2021年6月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください】

再編集版


実は、アニメ映画「くるみ割り人形」は、2014年に、リマスター版が制作されていることを、今になって知りました。

バレエのシーンをカットしたり、編集をし直したそうです。

「プライムビデオ」では、有料で、この「2014年版」が観られようになっています。

いつか、観てみたいです。


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