(original image: deselect)
今回も、映画のラストで、クーパーがあのような行動を取った理由について書いていきます。
前回、マーフが提案した根拠について書きました。
アメリア(・ブランド)がエドマンズの星に着いたことを、まるで知っているかのようでしたから。
こちらの記事の続きです。(↓)
クーパーの準備
マーフと同じく、クーパーも、「アメリアがエドマンズの星に着く」ことは、証拠がなくても確信していたはずです。
というのも、クーパーがそれまで宇宙で体験したことや、「愛」の意味を考えたら、「アメリアが第2の地球に着く」ことに疑いの余地はないので。
小説では、宇宙ステーションの病院から退院した日の夜、クーパーがアメリアについて考えているという箇所があります。
「時間のずれは(自分と)同じはずだから、・・・・・今ごろは到着しているに違いない。」
「マーフたちが、すでにブランドを助けるために誰かを送った可能性もある。」
エドマンズの星に、「一刻も早く、宇宙ステーションから助けが向かうのは当然」と考えていることが分かります。
そして、マーフと再会した時、すでにエドマンズの星に出発した人がいたならば、クーパーにも知らされたはず。
でも、マーフが伝えたのは、「クーパーが行くべき」だということでした。
そして、どの宇宙船がエドマンズの星に向かう予定なのか、この時に情報を得たという展開が自然ではないでしょうか?
それに適した装備や燃料がなければ、目的を果たすことはできないのですから。
なぜこっそり?
どうして、クーパーにこの任務が正式に託されなかったのでしょうか?
「宇宙船で出かけさせてもらえない理由」があったのではないか、と私は考えています。
それは、年齢なのか、宇宙滞在時間が長すぎるからなのか、必要な訓練を受けていないからなのか・・・
この理由と関連しているのか、クーパーとマーフの再会には、不可解な点があるのです。
移動が命に関わるかもしれない老齢のマーフが、別の宇宙ステーションからわざわざ、クーパーに会いに来ていました。
2日間の入院の後、ぴんぴんしているクーパーが会いに行けば、もっと安全でラクなはずなのに。
たとえ操縦しなくても、クーパーを移動させられない理由があったのでしょうか・・?
宇宙空間での滞在は、遺伝子が変化してしまうほど人体への影響は大きいので、何か規定があってもおかしくないのかな、と考えたりしています。
それなので、エドマンズの星に向かう飛行士として、誰か別の人が選ばれていたのだと思います。
迷惑をかけたのか?
でも、その飛行士の代わりにクーパーが旅立っても、困る人はいないと思うのです。
だって、目的地は「ワームホールの先」!
15人が向かったけれども、ずっと誰一人戻ってこなかった未知の世界ですから。
音信不通のまま、90年後にいきなり、1人だけ戻ってきたり・・・
そんな恐ろしい所、行かないですむのなら、選ばれた飛行士にとっても、その人を選んだ人たちにとっても、それはそれで構わないのではないでしょうか?
選ばれた飛行士は、90年前のクーパーたちと同じように、家族と再会できないかもしれない状況でした。
実は、90年前も、別の操縦士に代わって、クーパーがミッションに参加しているはずなのです。
クーパーがNASAの施設に気付いたのは、エンデュランスが出発する数日前でした。
もともとこの計画はクーパー抜きで進んでいて、操縦士も別の人が予定されていたことになります。
その人にとっても、全く問題のない変更だったはず。
そして90年後の再出発では、クーパーがいなくなっても、困る人は一人もいない・・・
(original image: prettysleepy1)
クーパーにしかできないこと
そして重要なことに、この任務は「クーパーの方が適している」のです。
場所をよく理解している経験者で、「生きて帰って来た」という運命の持ち主!
(「愛」に導かれている、という強みも。)
そもそも、クーパーの使命は「四次元空間でデータを伝えること」で終わっていなかったのだと思います。
だから、元気な姿で宇宙ステーションにたどり着けたというか…
エドマンズの星に向かうことも、彼に託されたミッションだったのではないでしょうか?
マーフには、それが「当然のこと」として感じ取れたと表現しているように思われます。
「人類の意思」が、マーフの口を通して伝えられた、という展開です。
クーパーとしては、アメリアに会って、「伝えるべきこと」がたくさんあるのではないかな、と思います。
彼女が語っていた「愛」についての仮説に対する気持ち。
その「愛」の意味を知ったこと。
TARSが無事だということ!
「彼ら」が誰なのか。
導かれた四次元空間での奇跡のような出来事。
ブランド教授(アメリアの父親)が手掛けた宇宙ステーションの様子。
これらのことを、クーパーとアメリアのふたりが直接語り合ってこそ、本当のハッピーエンドなのかもしれません。
そのような展開を、最大限暗示するラストでした。
(original photo: Free-Photos)
(2018年5月13日の記事です。)
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